NEW 2025.06.27
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握力と死亡リスクについて

握力と死亡リスクについて

握力は身体の成長とともに年々強くなり、20~30代でピークを迎え、40代から徐々に弱くなり始めます。握力は全身の筋力を反映するといわれています。これは、握力が強い人ほど太ももの力(脚を蹴り上げる力)や背中の力(物を下から引っ張り上げる力)も強い傾向にあるからです。

九州大学・久山町研究室で握力と死亡リスクとの関係を調べたところ、握力が強い人ほど死亡リスクが低いことが分かりました。この関係は年齢に関係なく、高齢期(65歳以上)の方でも中年期(40~64歳)の方でも認められました。また、死因を調べてみると、握力のより強い方は心血管病(脳卒中や心筋梗塞など)と呼吸器系の疾患(肺炎など)による死亡リスクが低いことも分かりました。

握力などの筋力が低下している人は低体重、運動不足、糖尿病・高血圧などの慢性疾患があったり、栄養状態が良くなかったり、免疫力が低下している場合が多いと報告されています。このような状態は循環器疾患、感染症などの危険因子であり、死亡のリスクを上昇させる可能性があります。

握力のみを強くしても死亡リスクが下がるかどうかは今のところ分かっていませんが、適度な運動によって全身の筋力の維持・増強を目指し、元気で健康的な生活を送りましょう。

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