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きつい運動は続かない、効果が実感できるニコニコペース®の運動

「ニコニコペース®の運動」は、無理なく続けられる運動法で、福岡大学の研究によって高血圧症や生活習慣病の改善に効果があることが証明されています。運動は楽しく、会話ができる程度の強度が目安で、個々の体調に応じた運動が推奨されます。運動中の主観的なきつさや脈拍数を基に、自分に最適なニコニコペース®を見つけることができます。
運動を始めようと考えている方におすすめなのが、ニコニコペース®の運動です。文字どおり、ニコニコ笑顔で行う運動のことをいいます。この運動は1970年代初期より福岡大学運動生理学研究室の進藤宗洋先生と田中宏暁先生らのグループが研究を開始して、1980年代には高血圧症の患者さんを対象として血圧の改善に有効であることを報告しました。34~56歳の患者さんに1回60分間のニコニコペース®の運動を週3回実施していただいたところ、最高血圧は次第に下がり10週間経過した時点で最高血圧が20mmHgほど減少しました。運動を繰り返し実施すると持久力が向上し、始めたころに比べ体がすいぶん楽になりますので少し負荷をあげて20週間継続したところ、血圧はさらに下がり体重も減少しました(図1参照)。この報告の後、ニコニコペース®運動は高血圧症のほか、糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病の治療ガイドラインに採用されることになります。

図1
ニコニコペース®運動は健康運動指導士※など、運動の専門家にご相談されるとあなたに最適な運動をお勧めしていただけるでしょう。自身で自分にあったニコニコペース®を見つける方法としては、運動中の主観的なきつさや脈拍数から推測することができます。運動中のきつさを6から20で表すボルグのスケールでは「楽でもなければきつくもない」という「12」のスケールが目安となります。
また、その際の脈拍数を年齢別の換算表でみると、40歳代の方は115~125拍/分となります。腕時計でも簡単に評価できますので活用してください。
なお、血圧高めの方でお薬を処方されている方は、脈拍を運動中の目安としてよいか、主治医の先生にご相談ください。
最後に、ニコニコペース®の運動は、お友達と会話ができる程度のきつさですから、息があがり会話ができないほどゼェゼェハァハァするようでしたら、スピードを落としたり休息したりしながら行うようにしましょう。
※健康運動指導士
保健医療関係者と連携しつつ、個々人の心身の状態に応じた、安全で効果的な運動を実施するための運動プログラムの作成および実践指導計画の調整等を行う役割を担う者をいいます。(公財)健康・体力づくり事業財団が認定する資格で、医療法42条施設(疾病予防運動施設:医療法人が、疾病予防のため、生活習慣病患者とその予備群の方に対し、適切な保健指導及び運動指導を行う施設)にも配置されています。

運動時の主観的運動強度(左)とニコニコペース®の脈拍数の目安(右)