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これならできる、こまぎれ運動
食べ過ぎやお腹のぽっこりが気になる方におすすめなのが、簡単にできる「こまぎれ運動」です。座りっぱなしが多い方は、30分ごとに立ち上がるだけで太ももの大筋群を使い、血糖値の上昇を抑えられます。英国の研究でも、立ち上がる習慣がインスリンの効きを良くする効果が確認されています。さらに、軽いぶらぶら歩きやスクワットなども血糖値を下げる効果があるため、すきま時間を活用して始めてみましょう。
立ち上がる習慣が健康改善につながる
最近ちょっと食べすぎかな、おなかがポコッと出てきた、そんな方におすすめの運動は、いつでもどこでも簡単にできる、こまぎれ運動です。
まず、立ち上がることから始めましょう。特に、お仕事上座りっぱなしの時間が長く続く方やお医者さんから血糖値が少し高めですね、と言われたことがある方には、特におすすめです。立ち上がる時は、大腿四頭筋(太ももの筋肉)と大腿二頭筋(太ももの裏側の筋肉)が活動しますが、私たちの身体の中でも大きな骨格筋群です。これらの骨格筋群を使うと、血液中の糖(血糖値で表される)が骨格筋の細胞内に運ばれ、血糖値が下がるというわけです。実際、英国レスター大学のトーマス・イェーツ先生の研究グループは、太り気味の糖尿病予備軍の女性を対象に、2つの条件下で日中の血糖値の変動を調べてみました。1つは、いつもどおり座りっぱなしでお仕事をする条件(座位)、もう一つは30分毎に1度立ち上がって立位で5分間仕事をする条件(スタンドブレイク)です。図1に示すとおり、スタンドブレイク条件では、座位条件と比較して、食後の血糖値の上昇を抑えることができました。血糖値が上昇すると膵臓からインスリンというホルモンが分泌されて、骨格筋細胞内への糖の取り込みを促進させ血糖値を低下させますが、スタンドブレイク条件では、より少ないインスリンで血糖値の上昇を抑えることができました。これはインスリンの効きがよくなっていることを意味しています。
まずは、ぶらぶら歩きや軽い体操から
ちょっとしたぶらぶら歩きや軽い体操も血糖値を下げる効果があります。30分間隔で3分間のぶらぶら歩きを行う条件と3分間の軽体操を行う条件を設定し、何もしない条件と比較した研究です。ぶらぶら歩きは、時速3.2キロメートルなのでトイレに向かう際の速さ程度です。軽体操は、スクワット、ももあげ、かかとあげなどを行う活動です。これらの活動の共通点は、やはり大筋群を動かすことです。すきま時間にこまめな活動を行うことで血糖値を下げる効果が認められていますので、まずはできることから始めてみるとよいでしょう。